アジア最後のフロンティアとして良く知られ、日系企業も500社以上が進出しているミャンマー。一方で、新型コロナウイルスの猛威に加え、2021年2月1日に軍事クーデターが起こり、ミャンマーは厳しい状況にあるのも事実です。

10年間に渡ってミャンマーでビジネスを行っている当社には、ミャンマーに関する情報提供の依頼やお問い合わせが多く寄せられています。代表的なお問い合わせを以下に定期的に掲載して参りますので、ぜひご覧ください。

また、ミャンマー最新の状況はミャンマーBlogにも掲載しておりますので こちらをご覧ください。

ミャンマーの政治・経済などの最新状況はどうなっていますか?

(政治・治安状況)
国軍による反政府勢力の弾圧は続いており、2022年3月8日時点の民間人の累計死者数は1,623名(Assistance Association for Political Prisoners発表:把握できている人数)に及んでいます。都市部の軍関係施設を狙った爆発事案は減少していますが、ザガインやチン州等では、国軍の武力攻撃に対する民主派の抵抗が継続しています。

3月にASEAN特使(カンボジア副首相兼外相)が初のミャンマー入りしましたが、民主派勢力との面会は実現できず、和平に向けた目立った進展はみられませんでした。

(経済状況)
年始に1,300MMK/L程度だったガソリン価格が原油高の影響で急騰し、3月には2,000MMK/Lを超えました。2月以降、停電の増加によるジェネレータ使用の頻度が増加しており、ガソリン価格の高騰は飲食店や会社経営を圧迫しています。

昨年9月に一旦撤廃されたドル・チャット間の管理相場が復活し、中央銀行提示レート1,778MMK/USDが為替基準になっていますが、市中の両替商では2,000MMK/USDを超えるレートを提示するところが出ており、2重相場となりつつあります。

また、昨年10月から正式に両替通貨として認められた日本円が、ミャンマー国内で3月以降高騰しています。銀行間取引が14.5MMK/JPY程度のところ、実両替レートが20MMK/JPYに近くまで高くなっています。これは、日本への渡航予定者増加でミャンマー国内での日本円の需要が増加したためと言われています。

COVID19とクーデターにより景気が落ち込んでいるなかで、ガソリン価格を筆頭に物価上昇が続いており、スタグフレーションへの懸念が高まっています。

総選挙はいつ行われる予定でしょうか?

2021年8月1日の国軍暫定政権発足の発表の際、2023年8月までに複数政党による総選挙を実施すると発表されています。

国軍政府は昨年7月に前年の総選挙結果の無効を発表し、アウン・サン・スー・チー氏を逮捕後その裁判を着々と進めており、現在もNLD党員が拘束され続けています。

11月には従来の小選挙区制から比例代表制への移行、3月には次期総選挙は国内の全郡区で行う方針を示しており、NLD参加なしでの選挙で自らの権力基盤を強固にする意向です。

現在ミャンマーでのビジネスリスクはどの程度ありそうでしょうか?

政治情勢、治安状況は落ち着きを見せており、内戦にまで至る可能性は少ないとみられているため、さらなる政治体制変更によるリスクは低下しています。

欧米諸国の経済制裁は継続しており、通信会社のTelenor(ノルーウェイ)、たばこ製造のBAT(イギリス)など大手欧米企業は撤退しましたが、多くは様子見をしています。

USD/MMK現金の引出し制限継続、市場ドルの流通不足など、以前からの金融システムリスクに加え、電力供給量不足による停電の増加でインフラリスクの懸念が高まり、工場操業への影響も出ています。

日系企業への影響は?

国軍の弾圧に対する国際社会の非難とミャンマー国内の景気低迷受けて、一部大手企業では国軍関連企業との提携解消や取引停止、ミャンマー事業からの撤退を決定していますが、7割近くの企業は縮小・撤退をせず、今後のコロナ・政治状況によりミャンマーでのビジネスの方針を判断するとしています。

2022年見通しでは、前年に比べて営業利益が悪化するとしている日系企業は1/4に止まり、横ばい・改善は3/4で、景気回復に向けた期待が高まっています。日系企業・工場の稼働はほぼ元に戻りつつあり、ODAも新規案件凍結は継続していますが、既存案件は継続されています。

昨年2月の政変後に、一時は500名程度まで減少したと言われていた在ミャンマーの日本人の数も、デルタ株が終息した10月頃から企業駐在員が徐々に戻ってきており、年明け以降、駐在員の渡航で利用する救援便日本人搭乗枠の競争率が非常に高い状態が継続しています。

ミャンマーの新型コロナウイルス感染状況やワクチン接種状況は?

3月7日時点の類型感染者数:計599,619名、うち回復者549,153名、死亡者19,391名(政府発表)で、2月に急増したオミクロン株もピークアウトを迎え、病院のコロナ病床にも余裕が出ています。

ワクチン接種は、民間主導で中国製、インド製ワクチンのブースター接種も始まっていますが、2回接種率は未だ約40%に止まっています。ミャンマー国内で接種可能なワクチンのほとんどが日本入国時の隔離期間短縮の条件となるワクチンとして認められていないことは残念です。

現在ミャンマーへの渡航は可能ですか?又は、いつ行けそうですか?

COVID19流行でミャンマーへの国際商用便着陸が禁止されて以降、日本からは救援便(ANA)利用以外での渡航ができませんでしたが、4月17日(ミャンマー水祭り明け)から国際商用便を再開すると発表がありました。これに伴い、日本からの救援便は5月12日、戻りの直行便も5月13日が最後になりました。

6月1日以降は、全日空(ANA)がタイスマイルとのコードシェアで、毎日バンコク経由でヤンゴンと羽田間が運航されます。また、ミャンマー国際航空(MIA)が日本との定期便の申請を検討中とのことです。直行便が廃止されるのは残念ですが、渡航が容易になるのは非常に喜ばしいことです。

商用便再開に合わせてミャンマー入国時のVISA取得も容易になることが予想されており、4月からはVISAのオンライン申請も再開されるとの報道がありました。

現在、入国時の検疫隔離期間はワクチン2回接種でも7日間ですが、隔離期間の短縮も検討されており、6月以降はCOVID19以前の状態に近くなることが期待されます。

GICはミャンマーでのビジネスを生業にしていると思いますが、大丈夫でしょうか?

GICは日本における ミャンマー人ITエンジニア派遣と日本で受注した受託開発を ミャンマーオフショア開発で行うのが基本的なビジネスモデルです。リモートワークが一般的になり、インターネットが接続されていれば、物理的な場所が離れていること、執務場所が日本なのか海外なのかは大きな問題にはならなくなりました。実際、コロナ以降にお取引を開始したお客様には、一度もFace to Faceでお会いしたことのないお客様が多数いらっしゃいます。

2021年2月の政変後、ミャンマー現地法人では軍政府によりインターネット接続に制約があった時期がありましたが、現在はインターネット利用も通常に戻り、複数のオフショア開発プロジェクトを日本とミャンマーで連携して実施しています。

電力状況はどうですか?

2022年に入り、ミャンマーでは例年にも増して電力が不足している状況で、特に、2月中旬ごろから停電がひどくなっています。

電力・エネルギー省は1月初旬、燃料価格高騰によるガス火力発電所の一部稼働停止、送電塔の破壊、乾季にともなう水力発電所の発電量低下などを理由に電力不足が生じる見込み発表し、さらに、3月12日から18日にかけては、天然ガスの海底パイプライン接続工事により24時間の停電となるエリアが出ると発表し、実際に多くの企業や一般家庭に影響が出ています。

3月19日からは、ヤンゴンの一般地区では4時間毎(1:00、5:00、9:00、13:00、17:00、21:00)に停電と給電を繰り返す計画停電に入っており、一日の半分が停電している状況です。一方、工業団地では、工場稼働の影響を回避するため9:00から17:00まで電力が供給されているところもあるようです。

原油高、政変にともなう通貨チャット安の影響も受け、ジェネレータ利用による燃料代は以前の通常月の3倍程度になっていると言います。水力発電への依存度が高いミャンマーの電力不足は雨季が始まる5月末までは続くと予想されています。

ミャンマーから帰国を希望する現地駐在の日本人が日々増加している状況です。今後のミャンマーの情勢やビジネスリスクなどを詳しく知りたい方はmarketing@gicjp.comもしくは 03-5600-8880 までご連絡ください。

現在ミャンマーでのオフショア開発についても多くのお問い合わせをいただいています。ミャンマーオフショア開発についてのよくあるご質問は以下をご覧ください。

GICではミャンマーをはじめとしたアジア諸国への 海外進出支援や、 海外人材採用支援も行っています。その他、ミャンマーに関する情報提供も行っておりますので、お気軽に以下からお問合せください。