アジア最後のフロンティアとして良く知られ、日系企業も500社以上が進出しているミャンマー。一方で、新型コロナウイルスの猛威に加え、2021年2月1日に軍事クーデターが起こり、ミャンマーは厳しい状況にあるのも事実です。

10年間に渡ってミャンマーでビジネスを行っている当社には、ミャンマーに関する情報提供の依頼やお問い合わせが多く寄せられています。代表的なお問い合わせを以下に定期的に掲載して参りますので、ぜひご覧ください。

ミャンマーの政治・経済などの最新状況はどうなっていますか?

(政治・治安状況)9月7日、民主派勢力のNUG(国民統一政府)の副大統領が、演説内で「D-Day」と呼ばれる国軍への一斉蜂起を呼び掛ける緊急事態宣言を発表しその行方が注目されましたが、国軍が武力面で圧倒的に優位に立っている現状は変わっていません。

国軍による弾圧は続いており、9月末時点の民間人の累計死者数は1,136名(把握できている人数)に及んでいます。D-Day宣言以降、複数地方都市での国軍施設への襲撃や国軍系携帯電話通信塔の破壊など一部地域での騒動が激化していますが、ヤンゴン市内では、軍関係者や軍施設を狙った小規模爆発事案が散発的に発生しているものの大きな衝突は見られません。

(経済状況)ヤンゴン市内では、6月末からの第三波コロナ感染拡大を受け、事業活動が停滞していましたが、第三波が収束してきたことから経済活動は再開しつつあります。ヤンゴン市内のショッピングモールは混雑しており、レストランも再開し、交通渋滞も発生しています。

食糧や水・電気といったライフライン関連では大きな支障は出ていませんが、銀行の規制により現金引き出し(ドルとチャット両方とも)が長期間にわたって困難な状況が継続しています。9月10日、中央銀行が8月3日に発表したばかりの「管理相場制度」を撤廃すると発表して以降、9月最終週には一時1USD=2,500MMK(政変直前は1,300MMK程度)を超えるまでチャット安が急速に進みましたが、10月第2週には2,000MMK程度まで戻しています。チャット安を受けて輸入品の値上げが相次ぎ、ヤンゴン市内の主要スーパーマーケットでは輸入品が20~30%値上げされています。

総選挙はいつ行われる予定でしょうか?

2021年8月1日の暫定政権発足の発表の際、2023年8月までに複数政党による総選挙を実施すると発表されています。

軍政府は7月に昨年の総選挙結果の無効を発表し、9月に入ってコロナ第三波が収束してからはアウン・サン・スー・チー氏の裁判を着々と進めており、いまもNLD党員が拘束され続けています。軍政府として総選挙に向けてNLDを追い詰めるための手を緩める気配は見られていません。

現在ミャンマーでのビジネスリスクはどの程度ありそうでしょうか?

政治情勢、治安状況は落ち着きを見せており、内戦にまで至る可能性は少ないとみられているため、政治体制変更によるリスクは低下しています。

欧米諸国の経済制裁は継続しており、通信会社のTelenor(ノルーウェイ)、たばこ製造のBAT(イギリス)など大手欧米企業の撤退も発表されていますが、多くは様子見をしています。

USD/MMK現金の長期に渡る引出し制限に加えて、市場ドルの流通不足を受けて、輸出代金の30 日間以内チャットへの転換義務、完成車輸入の停止、USD口座からMMK口座への為替振替停止、などの施策が相次いで取られており、チャット安を含む金融システムのリスクは増加しています。

日系企業への影響は?

反政府派弾圧による国際社会の非難を受けて、一部大手企業では国軍関連企業との提携解消を決定していますが、多くの企業は今後のコロナ・政治状況によりミャンマーでのビジネス継続の是非を判断するとして態度を保留しています。

2月の政変、7月~8月のコロナ第3波を受けて、多くの日系企業が駐在員を日本に一時帰国させたため、8月にはミャンマーに在住している日本人は500名程度(最も多い時期には4,000~5,000名滞在していたと言われています)まで減少しましたが、日本でワクチン接種を終えた駐在員を10月以降に再渡航させる動きが出てきました。

日系企業、日系工場の稼働は、上記のとおり駐在員は減少しているものの日本からのリモートを含めて業務を継続しています。ODA関連も、新規案件は凍結されていますが、既存案件は継続されています。

ミャンマー中央銀行は10月12日、国内の銀行や両替商に対し、日本円と人民元の両替を認可すると発表しました。日系企業にとっては利便性が上がる可能性がありますが、USDベースの取引は短期には変わらないと思われます。中国の影響力を考えると人民元の流通は進む可能性があります。

ミャンマーの新型コロナウイルス感染状況やワクチン接種状況は?

8月末の国内全体の感染者数は3,000名/日、陽性率は20%台で推移していましたが、9月末前後では2,000名/日、9%前後で推移しています。第三波はピークアウトに向かっており、コロナ病床にも空きが出てきています。市民の意識も緩んできており、ショッピングセンターやスーパーマーケットではマスクの着用が必要ですが、ローカル市場や屋外でのマスク着用率は低下しています。

コロナ感染拡大防止策として7月17日に開始された公休については、9月10日で終了し、政府機関窓口も業務を開始しました。長期間窓口が閉鎖されていたため、初日の9月13日にはヤンゴンのパスポートオフィス、イミグレーションオフィスには長蛇の列ができました。

ワクチン接種は、中国製、インド製ワクチンの輸入が予定通り進んでおらず、10月2日時点で、ワクチン接種率は、1回接種15%、必要回数接種7%(軍政府発表)に止まっています。政府の無料接種を待てない人や企業では、独自に有償で個別輸入されたワクチンで接種を受けています。

現在ミャンマーへの渡航は可能ですか?又は、いつ行けそうですか?

現時点ではミャンマーへの通常の渡航はできません。ミャンマー政府が特別に認めた場合に限り、ミャンマー国民が日本から帰国する救援便の一部搭乗枠を使って渡航できるだけです。

10月は渡航希望者の増加を受けて救援便が4便まで増便されますが、渡航を見合わせている企業も多く11月は2便になりました。現時点では、コロナ予防接種証明があってもミャンマー入国時の検疫隔離(ホテル隔離11日間)は免除されず、ホテル隔離費用および入国後PCR検査は全て自己負担となります。

通常の渡航が可能になるのは、早くても来年1月以降になると思われます。

GICはミャンマーでのビジネスを生業にしていると思いますが、大丈夫でしょうか?

GICは日本におけるミャンマー人 ITエンジニア派遣と日本で受注した受託開発をミャンマー オフショア開発で行うのが基本的なビジネスモデルです。リモートワークが一般的になり、インターネットが接続されていれば、物理的な場所が離れていること、執務場所が日本なのか海外なのかは大きな問題にはならなくなりました。実際、コロナ以降にお取引を開始したお客様には、一度もFace to Faceでお会いしたことのないお客様が多数いらっしゃいます。

2021年2月の政変後、ミャンマー現地法人では軍政府によりインターネット接続に制約があった時期がありましたが、現在はインターネット利用も通常に戻り、複数のオフショア開発プロジェクトを日本とミャンマーで連携して実施しています。

その他ミャンマーの最新・重要情報があれば教えてください。

決算期が変更されました。ミャンマー国軍の最高意思決定機関「国家統治評議会」は、10月~翌年9月としている現行の会計年度を、来年度から4月~翌年3月に変更すると発表。民政移管後のミャンマーでは、もともと4月~翌年3月の会計年度が用いられていたが、アウン・サン・スー・チー氏が率いた前与党・国民民主連盟(NLD)政権下の18年に、10月~翌年9月に変更されていた。

ミャンマーから帰国を希望する現地駐在の日本人が日々増加している状況です。今後のミャンマーの情勢やビジネスリスクなどを詳しく知りたい方は 03-5600-8880 までお電話ください。

現在ミャンマーでのオフショア開発についても多くのお問い合わせをいただいています。ミャンマーオフショア開発についてのよくあるご質問は以下をご覧ください。

GICではミャンマーをはじめとしたアジア諸国への 海外進出支援や、 海外人材採用支援も行っています。その他、ミャンマーに関する情報提供も行っておりますので、お気軽に以下からお問合せください。